僕の執事



『じゃあ、いくぞ?』


「ドンと来いです!!」


おっ!?やる気出たな
初心者だし、手加減してやるか。


ピッ ピッ ピッ ピーッ
表示されるデジタルのカウントが止むのと同時に、ゲームが始まった。


『よっ!』


カーン…


「打ち返す…打ち返す…はぃ!」


カーン…─カーン…
カーン…─カーン…─


『強っ!』


ガコン!!


『マジかよ!?』


長いラリーの後、ゴールを決めたのは騎馬だった。
手加減するつもりが、本気で戦ってしまった…


『騎馬、本当に初めてか? やったことあんじゃねぇの?』


「ありませんよ!
打ち返しただけです!!」


勝ち誇ったような顔で言う騎馬に、俺の中の闘争心に火が付き、再び騎馬に勝負を挑んだ。


『もう一回勝負だ!!
今度は、手加減しねぇからな!』


「またやるんですか!?」


『当たり前だろ?
まだ百円分終わってねぇもん』


「…わかりました。
そうとなれば、僕も手加減は致しませんよ!!」


再びカウントが始まり、長いラリーが続いた。


『お前、そろそろ負けろ!!』


「陸こそ、そろそろ諦めたらどうですか!」