『正当防衛だし。
俺のダチ傷つけたお返し』


低く冷めた声で言い、シュンの背後に回ると、急所を外し殴った。
フッと倒れるシュンを受け止め、ボーっと突っ立ったままのシュンの仲間を呼ぶと、気を失ったシュンを渡した。


『気い失ってるだけだから、すぐ気づくだろ。
お前らも大変だな。』


「あ…うん」


曖昧な返事を返してきた奴らはシュンをおぶると、帰って行った。
それを見届け恭平の元に戻ると、必死に震えを抑えてた。


『大丈夫か?』


声を掛けても返事がなくて、顔をのぞき込むと目に溢れそうなほどの涙を溜めてた。


『泣き虫なのな』


笑いながらポンと頭に手を置き、子供をあやすみたいにポンポンと優しく撫でた。


『なんか、女みたい。』


ボソッと呟くと、「女じゃねぇ」と返ってきた。


『あ、喋った』


でも、執事来なくてよかったー
あいつ智章さん見たら、絶対からかいそうだし。
それに、アイツが葵に近づいたら俺…自分を抑える自信がない。


「はあー…お前強いな。」


鼻をすすりながら、恭平がそう言った。