立ち上がり、相手の腕を離すと、今度は俺に突っかかってきた。
どうやら俺の言葉が頭に来たらしい。


「さっきからゴチャゴチャうるせんだよっ!!」


飛んできた相手のパンチを、寸前の所でよけると、そいつは勢いよく地面に倒れた。


「シュン大丈夫か?!」


後ろで俺達の一部始終を見てたひとりが、やつに駆け寄った。
あ、シュンって言うんだ。


「触んなっ!!」


心配したやつにそんな態度してっから、本当の友達出来ねぇんだよ。
言葉には出さず、頭ん中でそんな事を思いながら後ろに見遣ると、俯いたまま握り拳を作り、何かに堪えてる恭平がいた。


「おい!」


『ん…?』


俺が振り向くと、また殴りかかってきた。


『ハァ…あんまり大事にしたくねぇんだけどなぁ…』


頭を掻き、再びよけた。
…殴っていいのかな?
この場合って正当防衛だよな。
先に殴りかかって来たの向こうだし。


「さっきっからゴチャゴチャうぜぇんだよ!!」


うぜぇって言われちゃった。


『こんな事したくないんだけど、しかたないか。』


「お前、頭いかれてんじゃねぇの?」


少しバテ始めたシュンはまだ諦めが付かないらしく、ずっと拳を振り回してた。