「親に期待されてないんだ。
この学校に入ったのも親に言われてで。
でもそれは、少し嬉しかった。ちょっとは期待されてんのかな?って…
 俺、中学んときイジメに合っててさ。
その原因は俺にあるんだってずっと思ってた。
イジメられる度に、俺は生まれるべきじゃなかったんだ。って何回も思った。学校にいる時はずっと1人で、翔太も心配して話しかけて来たけど、巻き込みたくて遠ざけて。
俺が望んで1人でいたんだって気づいたのは、智章に怒られてからだった。
俺自殺しようと思ってさ、智章に言ったんだ。
《俺なんかいなくても誰も悲しまないんだぜ、笑えるだろ?》って…そしたら思い切りビンタされて、私が悲しみます!!って…泣いてた。
気づいたら智章の腕の中にいて…こんな俺でも泣いてくれる人がいる。
心配してくれる人がいるんだって…そう思ったら、涙が止まらなかった。

イジメてくる奴らに、なんでこんな事すんの?って聞いた事もある。
そしたら、理由は無いって言われた。
変だよな。イジメるのに理由なんか無いんだって。
それ聞いて俺笑っちゃって、今でも覚えてる、あいつらの驚いた顔。」