僕の執事

自動ドアが開くのと同時に、ガヤガヤとウルサい音が耳に入った。


イラッ…


『…か?』


「はい?」


ウルサくて俺の声すら騎馬に届かない。
仕方なく、騎馬に近づき『なにかやるか?』と聞くと、騎馬は少し困った顔で「陸、僕こういう場所来たこと無いんですよ」と言った。


まあ、よくよく考えれば知らなくて当たり前っていうか…執事学校行って、卒業後すぐ俺の執事になったんだもんな…


『お前も大変だな。』


こんな時、周りがウルサいと独り言が聞こえなくて助かる。


『よし、今日は騎馬も付き合えよ!!』


「はい!?」


騎馬は、目を見開き今まで聞いたことの無いような声をだした。


『そんな驚くことか?』


苦笑いをもらし、騎馬を見ると、かなり動揺してた。


「ぼ、僕はいいですよ、見てますから。」


『いいじゃん! たまには付き合えよ。』


騎馬の腕を掴み、強引に引っ張った。
まず手始めに、初心者でも出来るだろう、エアーホッケーに挑戦させる事にした。


『これを打ち返して、この細い穴に入ったら、得点が入るから。
…大丈夫か?』


説明中も戸惑ってる騎馬は強がってるのか「ぇ?はい、大丈夫です!
打ち返せばいいんですから!」って、言ってたけど…手に力が入ってるのが見て分かった。