…転んだ彼、斗馬くんだっけ?


「あの、足大丈夫ですか?」
「え、俺?」
「はい…そうですけど…」
「大丈夫じゃねーかも!」

そう言って彼は
ニコッと歯を見せて笑う。
十分大丈夫そうじゃない…


そんなことを話しているうちに
保健室についた。
どうやら先生はいないようで、


「あ、部員の方々戻っていいですよ」
「いや飯島さん一人じゃ…」
「これでもケガには詳しいんです」

私が部員の人に笑って見せると
堪忍したのか
「じゃあよろしくね」
と言って戻って行った。


「まじごめんな、俺かっこ悪い…」
「そんなことないですから…」


私は棚からテーピング道具を出して
転んだ彼の手当てを始める。
うわっ、足首腫れ始めてるし…


「あ、敬語いらねーよ!俺1年E組」
「1年生だったんだ」
「おう、俺は紺野斗馬」
「私は1年C組の飯島魚月」