この世界で一番の奇跡は、


ふらり、とおぼつかない足取りで歩き出す慶次君は、またゆらりとゆれて転びそうになる。

「ほ…本当に大丈夫…??」

「平気平気ー…っと」

あはは、と笑って次何乗りたい?と聞いてくる慶次君。

私のためにすごく頑張ってくれてる感じがして…


何だか、ごめんなさいな気持ちになる。

そんな心配しなくても平気だから、と笑って私の頭をなでてくれた慶次君は、


私の手を引いて、コーヒーカップに向かっていった。