この世界で一番の奇跡は、

ぎゅぅっ、と握られた手が、とても大きく感じた。

あったかくて、
優しくて。

ずっとこのままだったらいいのに。

そんな事を考えていた。


わたしたちは、難なく遊園地に侵入できた。

他の人たちから見て、わたしたちってどんななんだろう。

ちゃんと、恋人同士に見えてるのかなぁ……?

「優姫、何乗る?」

慶次君はまるで仔犬みたいなキラキラした目で私を見つめてきた。

「えーっとね…じゃぁ、ジェットコースター!」

「お…いいよ!」

慶次君は今度はいたずらっ子みたいな目で私の顔を覗き込む。


その瞬間に、私の胸はどくんどくんって…。

ジェットコースターに乗る前にこんなにどきどきして、平気なのかなぁ…。