「えぇ!?慶次君のメアドゲットしたぁ!?」
「う…うんっ」
理科の実験中に昨日の事を報告したら、明日香の驚きが予想以上でびっくりした。
…このこと、慶次君に教えてあげよう。きっと大笑いするだろうなぁ。
考えながら慶次君が笑うところを想像して、気分が踊る。
「優姫ーっ、どうしてそうゆうこと昨日の夜メールで教えてくれないのよぅ」
「ごめん~~っ」
慶次君は私のこと妹みたいって言ってたけど。
本当は、妹じゃなくて、女の子として見てほしいんだよ。
いっぱい恋バナもするし、男の子とだって喋ったりする。
「あーぁ、いいなぁ、優姫は」
明日香が電流計をいじりながらつぶやいた。
「何が?」
「ン?だって…すっごくいい感じじゃん、慶次君と」
真っ赤。
「や、やめてよぉ!実際おしゃべりすると恥ずかしくてだまっちゃうことだってあるんだよ!?」
「それでも、可愛い恋してるでしょ?」
可愛い恋? 可愛い恋って…何?
「明日香は好きな人居ないの?」
そういえば、明日香の恋愛のはなし、聞いたことってあんまりないかも。
「知りたい?」
明日香は笑って私の顔を覗き込む。
こういう時って、明日香は、たいていよからぬことを考えてる。
小学校のときから一緒だったんだから、わかるよ。
本当に、遠慮しておきたい。
「うん…やめとく」
「何それー。ひどいぞ、優姫」
むぎゅー、と明日香は私を抱きしめた。
あったかくて、安心できる場所。
私が、一番安心できる場所。
明日香の傍にいれば、何も怖くない。
友達。大切な、親友。
だから…もしも好きな人が出来たら、言ってね。
出来るだけ、力になるから・・・
いっぱい相談に乗るから・・・
たよりないかもしれないけど、待ってるからね。



