「颯斗っ!時間まであと10分しかない!!」


時計を確認してみると、5:04だった。


「もう4分?! やばいな急いで返信しなくちゃ!!」


麻耶にせかされ、俺が急いでいると、急に妃月が笑い出した。


「…ははは! 颯斗、こんな茶番に返信するのか」


何で笑うんだろうか。


ピッ

───送信完了───


「? あぁ、命は助かりたいからな」


俺はメールを送信した後に返事をした。


「バカだなぁそんなの嘘に決まってるだろう」


妃月はまだ笑っていて、こんなものにメールを返すなんてあほらしいという顔をしていた。


「だとしたらとんでもない奴だぞ?! 学年規模のメルアドが流れているんだから!!」


「だからって学年全員が死ぬわけないだろ?」


「………!」


……確かに。


誰かに恨まれているとしても、学年全員が同じ奴に恨まれるのはおかしい。


しかし、メールを返さなくて、このメールが本物だったら……


考えただけでぞっとしてしまう。


周りを見渡すと、返信しようか迷っている奴らが多かった。


「……俺は本物だった場合を考えるとぞっとするから、メールに返信する。たとえ嘘だとしてもその時は、安心すればいいじゃないか」


妃月は驚いた顔で俺を見た。




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