妃月は驚いた後に、


「……そうか。俺の言うことを聞かないんだな?」


今までに見たこともない顔で俺を睨んだ。


俺はその顔を見て背筋に悪寒が走った。


「違う! 俺は訳の分からない奴に殺されたくないだけだ!!」


俺は慌てて妃月に言い換えしたが、


「……まぁいいさ。どんなことになっても俺は知らねぇ」


妃月はいつもの優しい顔には戻ってはくれなかった。


「妃月!!」


もう俺にはあの優しい顔は見せてくれないような気がして、妃月の名前を呼んだ。


「もう俺とお前は友達じゃねぇ。じゃあな」


妃月は俺の叫びなんて最初から聞いてなかったかのような顔をして、俺にそう言い捨てると、俺の目の前から去っていった。


「妃月! 妃月ぃ〜〜っ!!」


…………妃月はいくら呼んでももう戻ってきてはくれなかった




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