ふと目が覚めると、いつもの声が遠くからした。 …いや、逆か。その声で目が覚めた。 『柚杞!早く!』 女にしては割とハスキーだけど、そんなに特別低いって訳じゃない。 ほんと、普通。 だけど何故か耳に残る声。 『今日は体育で、張り切りすぎて転んだの』 だんだん近づく声。 ここからは色んな景色が見える。 その声の主も、そんな景色の一部だった。