その声でいつか


…あいつがユキ?


『そっか!じゃあ下駄箱まで一緒に行く!』


彼女は笑顔で昇降口に向かって歩き出す。
ユキの隣を歩き出す。


それを見てる俺の頭には疑問しかない。


『なにじっと伊川のこと見てんだよ?』

『…あいつ、伊川柚杞?』

『そーだよ、てかカノちゃん可愛いーやばいな』


カノちゃん?
あの女のこと?


『相澤樺乃ちゃん、狙ってる奴多いけどあの伊川相手じゃ無理だよなー』


樺乃ちゃんがベタ惚れらしいしー


2人の後ろ姿を見ながら、連れの言葉に声が出なくなってた。