その声でいつか


でも世間一般の“レンアイ”をしてる奴らみたいに、


ドラマの中のヒーローみたいに、


その光景と事実を見ても、荒々しい衝動や感情の猛りを持つことはない。


ただ、その声が、


いつまでも耳に残る。








『…病気か?』




窓をピシャリと閉めて、溜め息。


頭の中で何度も繰り返される、その声に頭痛を覚えながら、


『帰ろ、』


俺はまだ気付かなかった。


自分の変化に。