給食前、4時間目の総合の時間。
「みんな、注目して?」
担任の美代先生の優しい声がする。自然にみんなが黒板の方を向く。
といっても、必死に空腹に耐えていた私はそれどころじゃなかったが。
「これから3-2で一緒に過ごす、森本くんよ。」
つかの間の沈黙。
いや、よく耳を澄ますとヒソヒソと声が聞こえた。
かっこいい、かっこいい・・・・え?
女子達のそんな声を聴いたのは、これが初めてだった。うちのクラスの女子は男子に厳しい。そんな女の子達が騒ぐぐらい、かっこいい人なのか。そしたら、私のさっきの妄想も外れってわけじゃないんだな、やったあ。ん?そういえば、森本って聞いたことある名前・・・・・
「じゃあ、挨拶して?」
「森本、直史です。部活はバレー部に入る予定です。よろしくお願いします。」
え?な、お・・・ふみ?私は少し顔を上げ、目線だけをその転校生に向けた。
「ああっ!」
ああ、最悪。神様はどうやら私を困らせたいようです、お母さん。
私は神様に何か悪いことでもしたんでしょうか。教えてください。いやまじで。