謝罪人 Kyouko

カウンターの中から、女性従業員が、白いソーサーにカップをのせて、恭子の前に置く。
その横に、ステックタイプのシュガーと、ミルクが入った小さな銀のポットをそえて置いた。

恭子は、カップを手にした。
恭子はブラックを好んで飲む。

ひとくち飲んだ瞬間、コーヒー独特の香りが口の中まで漂う感じがする。

恭子は素直に美味しいと思った。

「あの・・・」
カウンターを挟んで、女性従業員が恭子に声をかけた。

「お客様にお聞きしたいんですが？」
女性従業員が気になっていることを聞いてきた。


「ひょっとしたら、昨夜、コンビニの前で、新聞記者の松山さんといらっしゃった方では・・・？」
女性従業員は確かめるように聞いた。

「あっ！　」
恭子は、女性従業員の言葉に反応した。