謝罪人 Kyouko

若い女性従業員が、角盆にのせてハンバーグ定食を恭子の前に置いた。

白い皿には、ハンバーグと人参にポテトサラダがのってある。
茶碗に白いご飯、味噌汁にキュウリの漬け物。

素朴な食材だが、どこか母親が作る料理に似ている。

恭子は、味わいながらゆっくりと食べた。

やがて、窓際の客も席を立った。
ドアの横で、調理場にいた女性従業員がレジの前に立つ。

「ありがとうございました」
支払いを終えた客に礼を言う。

客が店を出た後、女性従業員が、再び恭子の方を考えるように見た。

恭子は食事を終えた。

若い女性従業員は、窓際の席のテーブルのかたずけを始める。

「ホットコーヒーとアイスコーヒーがありますが、どちらになさいますか?」
カウンターを挟んで、女性従業員が恭子に聞いた。
その時、何かを確かめるように恭子の顔を見る。

「ホットコーヒーをお願いします」
恭子が答えた。

「かしこまりました」
女性従業員は、調理場へ入った。