謝罪人 Kyouko

島田は、疑いがあるまま、市長の職務を続けるわけには行かない状況になった。

助役を指名した人選ミスの責任を理由にして辞職することを決めた。

そして、もう一度選挙に当選して、市長の職務に就くことを考えた。

恭子は、今までやってきた謝罪の仕事の内容とは違い、念入りに謝罪会見の対応を考えた。

パソコンの前で、あれこれ考えていると午前二時を過ぎていた。

恭子がダバコケースを手にした。
タバコがなかった。

恭子は、ダバコを買いに部屋を出た。
エレベーターで一階ロビーに降りて、販売機でマイルドセブンを買った。

恭子は気分転換のため、ロビーのソファに座ってダバコを吸った。

「火を貸していただけませんか? 」
 
手にタバコを持って、男が恭子に声をかけた。