「しかし、これだけは、あなたにもわかってほしい。近年の所得格差や医療格差など、格差社会の問題は、わが町にも深刻な問題になっている。私は、市民の生活を豊かにしなければならない」

島田が真顔で言った。

「・・・・・・」
恭子は、じっと島田の顔を見つめて聞いている。

「私には、やり残している仕事がある。そのためには、今の市長の地位を退くわけにはいかない。どうしても選挙に勝たなければならない。どうか、今度の謝罪会見を無事に終わらせてほしい」

島田は、すがるように恭子に深く頭を下げて頼んだ。

中居も島田と同じように恭子に頭を下げていた。

「どうか、頭を上げて下さい」

恭子は島田に言った。

恭子は、島田の熱意みたいなものを感じた。
それと同時に、今回の仕事の大きさも感じた。