「こちらが、島田市長です」
中居が紹介した。

島田は、髪をオールバックにしてメガネをかけている。
スラリと背が高く、スーツ姿だった。
六十の年齢を過ぎているが、若く見えた。

「はじめまして、よろしくお願いいたします」
恭子は、礼をして名刺を渡した。

「あなたのことは、よく知っています。とにかく、今回の件をよろしくお願いします」
島田は丁寧に挨拶をした。

恭子は、島田と差し向かえにソファに座った。

「島田市長は、今まで我が町には大きな功績を残しています。企業の誘致など地域振興の促進に貢献してきました。我が町にとっては、島田市長はなくてはならない人物です」

中居が島田のことを熱く説明した。

「中居君、その話はいい」
島田は謙遜していた。