客室の中は、眺めの良いリビングルームがある。

モダンな家具の上に置いてあるスタンドの照明が、部屋全体を暖かく演出している感じを受ける。

どうやら、ここはホテルの特別室だと、恭子は思った。

パノラマウインドーの前にソファがある。
そこに誰が座って、夜景を見ている様子だった。

「只今、到着しました」
中居が、ソファに近づいて言った。

「ご苦労様」
男が中居に言った。
そして、静かに立ち上がった。

「よく、来ていただきました」
男は振り返って、恭子に言った。

「こちらにいらっしゃる方が、謝罪人の恭子さんです」
中居が男に恭子のことを紹介した。