「やはり、お断りします」
恭子が答えた。

「どうして? 」
木村が残念そうに尋ねた。

「ここでのクレーム担当も精一杯なのに、他のところで、そんな仕事は勤まりそうもありません」
恭子が自信なさそうに答えた。

「そうですか・・・」
木村は、すんなりと恭子のことをあきらめた。

「もしも、気が変わることがあったら、私に連絡して下さい」
と言って、木村は、名刺に書いてある連絡先を告げて店を出た。

恭子は、木村の名刺を制服の内ポケットにしまいこんだ。