「バーテンダーの仕事も大変なんですね」

「仕事ですから・・・」
恭子が答えた。

「あなたは、ずっと、ここで謝っていますね」

「えっ!? 」
恭子がけげんな顔をした。

「昨日も同じように、酔っぱらいの客に謝っていた」

男は、恭子の仕事ぶりを知っているように言った。

「仕事は楽しいですか? 」
男が興味深く尋ねた。

「楽しいって・・・仕事ですから」
恭子は、そっちけなく答えた。

「仕事ですか・・・そうですね」
男がにやけて言った。

その表情を見て恭子は、男は自分を茶化しているように思えた。