謝罪人 Kyouko

二人は、四角市役所に着くまで黙ったままだった。

中居は、恭子の能力のことを考えていた。

どうして彼女は、自分の感情をコントロールすることができたのか?

催眠術なのか、それとも超能力なのか・・・。
考えても答えが出てこない。

恭子に聞いてみたい気持ちだったが、今は会見のことに集中してほしい。

中居は、黙ったまま恭子の顔を見た。

恭子は車窓から外の風景を見ている。

だが、彼女の不思議な能力があれば、会見の席で記者達に島田市長が責められても、彼女の謝罪で何とか無事に終わらせることができる。

中居は確信ができた。