「何もないよ!」 そう言って美羽は走りだした。 俺は少し遅れて 追いかけた。 美羽も十分はやいけど 俺だって必死だった。 そして腕を つかんだ瞬間――― 白い腕に 何本もの古傷があるのが 目に入った。 一瞬ん頭ん中 白くなって・・・ 力が緩んだ瞬間 俺の手を振り払って 走って行った。 上手く足が 動かない。 何で・・・? なんで美羽が自分を 傷つけるようなマネ しないといけない? やっぱり わからないことが 多かった。