「まぁ結果、川西家はバラバラになったってこと。」




かける言葉がない。





だって、全ての元は俺の親父にある。
藤崎家のせいだということが分かっていたから。





「あたしが、藤崎家を憎む気持ちも分かるでしょ?」





「…………はい。」




前田さんが俺を……藤崎家を憎むのは当たり前だ。


そして、この事実を知った彩音も俺を憎むだろう。





「………ねぇ、拓くん?彩音のこと本当に家族だと思ってる?」





前田さんは睨むような微笑んでるような、不適な笑みを浮かべて言った。




その顔はまるで……



俺が彩音を好きだと見透かしているような……




.