「彩音はね、あなたたちの家に預ける少し前に記憶がなくなってるわ。」
この人は………
…なにを言ってるんだ?
「あたしは本当は彩音のことを好きじゃなかったから、あなたのお父さんに土地を買い取られて追い出されそうになったとき、彩音を殺そうとしたの。」
……………殺す?誰を?彩音を?
「けど、川西さん…いや、旦那にとめられて未遂。だけど、彩音は親に殺されかけたショックで記憶を失ったのよ。」
………彩音の記憶がなくなってたなんて知らなかった
「あたしたちは記憶をなくした彩音に自分たちのことを思いださせないまま、藤崎家に預けた。」
………そんな
もし彩音が記憶を取り戻したらどうするんだろう…
どんなに辛い思いをするのか…
「まぁ彩音がいなくなったおかげで、夫婦仲は良くなると思ったけど……まさかの正反対。川西…じゃなくて旦那は全ては自分のせいだと責めて、ノイローゼ。……すぐに離婚したわ。」
「………そうだったんですか………。」
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