37.3℃のキス《短》


「入学したての頃、澤村よく告白されてただろ?」

「うん」

「それで俺はたまたまその現場に通りかかったわけ」

そこで山岸君は一度言葉を切る。

入学したての頃。
告白現場。
通りかかる。

その三つのキーワードをヒントに考えていくと、一つ、ある記憶が蘇ってきた。


「もしかして……音楽室?」

違っていてほしいと願いながらそう言うと……山岸君は正解、と小さな声でこたえた。


「あれには本当びっくりしたよ。告白されてした返事が“用はそれだけ? じゃあもういいよね”だもん」

山岸君はそのときのことを思い出したのかクスクス笑い出した。