37.3℃のキス《短》


「それに初めて澤村を見たときの印象がすごい強くてさ」

山岸君は私の言葉を待たずに話続けた。

「実は俺、澤村と二年で同じクラスになる前に一回話したことあるんだけど……」


消えていった語尾から私が覚えているのか気にしていることに気が付いたけれど。

だけど、残念ながら私の記憶にはまったく残っていない。

「いつ?」

私は申し訳なく思いながらも覚えているフリも出来ず素直にそうきいてみた。


「やっぱり覚えてなかったか」

山岸君は私が覚えていないことを予想していたのか、苦笑まじりの声が耳に届いてきた。