電気が消えてから私の感覚で約三十分。
眠ろうと努力してみたけれど、今日一日のほとんどを寝て過ごしていた私の目は冴えていた。
それにベッドの下に山岸君がいると思うとなかなか寝付けない。
「山岸君……」
静か過ぎると余計に眠れない気がして、小さな声で山岸君を呼んでみた。
起きているのなら少し話し相手になってもらおう。
「なに? しんどくなってきた?」
そんな私の願いが通じたのか山岸君はまだ起きていた。
「いや、なんだか寝付けなくて……ちょっとなにか話さない?」
心配してくれている山岸君には言いにくかったけれど、私はそう誘ってみた。