「はい……では失礼します」

「おう。ちゃんと寝とけよ? 放課後様子見に行くわ」

「はい。じゃあ」

「お大事にー」

電話を切ったあと、独特の力が抜けるような話し方に思わず笑みがもれた。


この先生は“面倒臭い”が口癖の適当な人だけど良い先生だ。

そう言いながらも生徒達のことを誰よりも心配してる。

私のことだって家庭環境を知っているからか、とても気にかけてくれている。

普通ならばそれは欝陶しかったりするのだろうけれど、この先生は距離のおきかたがとても上手な人なのだ。