「山岸君ってもてるでしょ? 皆、山岸君が優しいから好きになっちゃうんだろうなって……」

そう言って私はお粥を一口食べた。

美味しい……お粥なんて食べたのいつぶりだろう。


「へえ……」

「なに?」

山岸君が珍しいものでもみるような目で私を見つめてくる。

食べてるとこを見られるのって苦手なんだけど。


「澤村ってそんなこと言うタイプに見えなかったから。もてるとか人気あるとか……」

どんなタイプに見えてんのよ。

私だって普通に女子高生なんだし誰がもてるとか人気あるとかはわかる。

……まあ、それが理由で私がその人を好きになることはないんだけど。