“どうしよう。”


思わず目を瞑った。


「そこで目を閉じちゃあダメだろ。」

「はっ!?」

「キスしてって、顔になってるぞ。」

「……朝からからかわないで下さい。」

「田中さんは隙だらけなんだよ。…そこがまた良いんだけど。」



エレベーターの扉が開き、部長は出て行った。



“何、今の?”


ビックリして心臓が飛び出すかと思った。


まだ、ドキドキしてる。


部長の顔、あんなにそばで見たの初めてだ。