ユメクイ蟻




「わたし、この夕日の絵を
贈ったんです。
魔法使いに」



信じてもらえないと
思ったけど、

どうしても
この思いを
声にしてしまいたかった。





「ほぉ。するとあなたが
この絵を描いたんですね」



「黙っていてごめんなさい」



「いいえ。大きくなりましたね
小柳桃さん」





館長さんは

「少し待ってて下さいね
ここを閉めてきますから」

と受付のほうに向かっていった。