「おばさん…ごめん」

僕はこれしか言えなかった。

僕はおばさんの手を握った。少し強く。だけど愛情を込めて。

そして恵にキスをした。

おばさんは少し気を取り直して、お茶を入れていた。

僕はおばさんに一礼してから病室を後にした。

おばさんは窓から外の中庭を眺めながら、お茶を飲んでいる。

窓からはやわらかな風が吹いていた。

その風はまるで恵の身体を包み込むように…。

彼女の手の指が動いていた…。