意識が遠くなるのが分かりはじめた。

目を閉じてはいけない気がしていた。

僕は恵の顔を必死に見ていたけど、よく見えていなかった…。

だめだ…。

眠い…。

目を閉じよう…。

きっと目が覚めれば大丈夫だから…。

「恵、少し…、寝る…、ね…。」

僕の手をしっかり握っている恵の手が震えていたのが分かっていた。