「次、俺の番?」
とてもキレーな顔立ちで驚く私。
陽向も格好いいって思うけど、
この人は陽向なの格好いいとちょっと違う。
「あ…うん」
するとその人は立ち上がり自己紹介を始めた。
「渡辺優一です。嫌いなものはキモイ男の友情やウザイ女」
優の第1印象は最悪だった。
誰も俺に近づくなオーラ出しまくって…怖い人だと思った。
「じゃあ全員の自己紹介が終わったところで今日は解散!明日は元気で来るように!」
私は急いで教室に出た。
陽向に会いたくて、会いたくて。
「亜紀…!」
「あ、陽向!そっち終わった?」
「うん。終わったよ」
あれ?陽向元気ないなあ…?
どうかしたのかな?何かあったのかな?
「俺さあ…お前と一緒のクラスがよかった」
「…え?」
「何でもない」
今…今…何て言った?
私と同じクラスがよかった…?
空耳じゃないよね、ハッキリ言ったよね。
「私も…!私も陽向とがよかった!」
私も思わず本音を言ってしまう。
かすかに、陽向も笑ってた。
…でもこれは幼なじみとしてだよね。
陽向には彼女いるもんね。
変な期待は絶対したくない。
心の中でそう誓った。
「陽向、一緒に帰れる?」
「あ…ごめん。俺、嶋と帰るんだ」
そっか…やっぱり帰るんだね。
そうだよね、付き合ってるもんね。
「帰ったら亜紀ん家行くから!」
「…りょーかい!」
それでも私と一緒にいてくれる…
何で私は陽向のこと大好きなのに
陽向の心を捕まえることができないんだろう?
