卒業式の翌日。

「俺…彼女できたから」

照れながら笑顔でいう陽向を直視することができなかった。

「亜紀…!俺さ…」

もうこれ以上聞きたくない。
陽向の幸せな笑顔が辛いだけ。

「よかったね~!陽向に先越されちゃったな。それに、あんな可愛い子を~!」

「亜紀…?」

「早く私も彼氏をつくるぞお~」

笑えてるよね?いつもどおり笑えてるよね?
大丈夫だよね…、泣いてなんかいない。


もっと早く「好き」っていえば
何か変わっていたのかな?


今更、そんなこと考えても何も変わらない。



「高校生になってもお互い頑張ろうね♪」



春になっても陽向と同じ学校。
そして…陽向の彼女も同じ学校だった。