翌日――

陽の光が温かく地を照らす頃、フィリアは周りに集まった面々を見回した。


『準備はいいわね?』


リーフ、バルド、ディーンが頷く。

彼らの他にも、契約を見届けてもらうため、前王、神官長、大臣がそれぞれ隅に控えていた。

フィリアは彼らの方を向き、手を突き出すと、輝く緑の瞳を細めた。


『緑よ、彼等を守り、縛る檻となれ』


言葉と共に、淡く色づいた半透明の膜が前王達を包み込んだ。

フィリアはそれをみてニッコリ笑い、リーフ達に向き直る。


『これで、あの人達には手出し出来ないわ。

――最初はバルドね。
何で勝負するの?』


『……では、剣で。
言っておくが、俺はルードの様に甘くは無いぞ』


バルドの言葉に、唇を歪めて。


『あれを、私の本気だったと思っているの?』


フィリアは笑った。