リーフは優しいと思う。

私に何も聞かないし、求めない。

私は、時にそれに救われ、時に傷つけられる。



リーフは、初めて出逢った時から何だか寂しい感じがした。

まるで、つがいを亡くした鳥のよう。

なのに、いつもそれを上手く隠すから、みんなが気付かないんだと思う。


この城に来てわかった。
彼は、ひとりぼっちなのだ。

確かに、親はいる。
臣下もいるし、バルドも。


ただ、それが真にリーフの心を癒やす場所であるかというと、そうではない。


だって、彼は王子だから。


身分というのはどこまでもその人について回る。


だから、リーフが本当の意味でひとりじゃなくなるのは、身分が同じ人物と、心通わせた時。


その時までは、私が、彼の孤独を少しでも和らげてあげたいと思うのだ。


そうすれば――いつか彼にも、彼の身分ではなく、リーフ自身を見てくれる人が現れるのだろう。




そういえば、話があると言っていた。
儀式の後に。


何だろう。
少し、気になる。
でも、あの様子じゃ今は言ってくれないだろうな…







………こんなにも不安なのは、何故だろう。
ねぇ、リーフ。
もう、貴方に会えない



そんな気がする。