思わず、リーフはフィリアの手を掴んだ。
フィリアが驚いてリーフを見る。
それにハッとして、リーフは手を離した。


『ごめん、何でも無いんだ』


『……』


『…そういえば、ディーンは何を聞きにきたの?』


訪れた沈黙を振り払う様に、フィリアは無理矢理話をふった。


その言葉に、今まで無表情で冷静に二人を観察していたディーンも笑顔をうかべた。


『…あぁ、もういいんですよ。
僕が知りたかった事は、今の話で大体わかりましたから。

…じゃあ、僕はもう行きます。
これから明日の衣装合わせをするので。
二人にも、そのうち伝達が来ると思いますよ』


それだけ言って、ディーンはさっさと王宮内に入っていった。





その後、ディーンの言ったとおりに召使いが衣装合わせの為に二人を呼びに来て、それぞれにああでもない、こうでもない、と召使いに振り回された。



そして、平和な日常は幕を閉じ。

新たな幕が、あがる。