ある春の日、美しい森の中で、今日もフィリアは毎日の日課となっている水汲みをしに川へと向かう。

『今日もいい天気』

空を見上げて一人呟くと、川の側の土手に膝をついて顔を洗った。
そして濡れた顔を拭い、水を汲んで帰ろうとした、そのとき。



目の端に、何か光る物が見えた。

(何だろう)

そう思ってよく見てみると。


なんと、自分と同じくらいの少年だった。

急いで川から彼を引き上げ、なんとかフィリアの家まで連れ帰った。