『ここが王都なのね!!
すごい、家も人もいっぱい!!』

王都に着いて早々、フィリアはキョロキョロと辺りを物珍しそうに見回した。
その様子に苦笑しながらリーフはフィリアの手を引いて、人でごった返す街中を突き進んでいく。

『ここにはいろんな店があるんだ。
とりあえず今日のところは宿に泊まって、明日の朝、城に行こう。
フィリ、何か欲しい物はある?
買ってあげるよ』


フィリアは驚いて立ち止まってリーフの顔をまじまじと覗き込んだ。


『そんな、いいわよ。
お店って、お金というものが無いと何も貰え無いんでしょ?
悪いわ』


『一応僕は王子だよ。
それに、フィリは僕を助けてくれたんだ。
お礼させてよ』


『でも…………キャッ!!』


フィリアに誰かがぶつかった。
勢い余って、その人物に倒れ込む。

支えきれなかったらしく、結果的に二人で地面に倒れた。