緑ノ刹那









―――どうして。
どうして、どうして、どうして


ただひたすら、その言葉が浮かぶ。



『…ィリ…ア』

私はクレイの声に、我に返った。

急いで、彼のそばに駆け寄った。



確かに、シキの言葉通りクレイは死んではいなかった。


――そう、死んではいなかったのだ。



でも。



傷は確かに致命傷。
出血も酷く、何故死んでいないのかと疑問に思う程。


彼はもう、ヒトではなかった。