緑ノ刹那









『……どうして?』


喉の奥から絞り出す様に、言葉を紡いで。


『彼を殺す必要があったからだよ』


尋ねた私に

彼はそう言って微笑んだ。


『さて、これで私の用は済んだ。
さあ、お別れをするんだフィリア。
クレイは私の力で死なない様にしてある。
お別れをしたら、君が彼を殺してやるといい』


絶望という、言葉と共にシキは消え去った。

その場所に、私とクレイを残して。