サヤに連れられ、リーフは中庭へとやってきていた。
リーフの頭の中には、未だレイの言葉が木霊している。
『お前に何ができる』
その言葉は、何よりリーフがいつも感じていた事を突いた。
自分には、何も出来ない。
ずっと、思っていた。
そう、気づかないフリをしていただけ。
『何も出来ないのは私もだ』
まるで心を読まれたかの様なサヤの言葉に、リーフは驚いてサヤを凝視した。
そんなリーフにサヤは小さく微笑む。
『私は焔を司るから……
フィリアとは特別相性が悪い。
それでも、いつもはフィリアの方が力が強いから平気なんだが、今の不安定なフィリアの近くに私がいたら、余計にフィリアを苦しめる事になってしまう』
『でも、サヤはフィリアと同じ"王"じゃないか。
今は違うけど、フィリアの為にいろいろ出来るだろ』
サヤの言葉にも、リーフは力無く答えるだけだった。
そんなリーフを見て、サヤは眉根を寄せた。
『お前はフィリアの主だろう。
――まあ、私達は認めた訳ではないが、フィリアが初代以来、初めて契約した者。
その様に卑屈に考えるな。
自信を持て。
何も出来ない人間などいない。
フィリアの主だというなら、まずはその考えから改めるんだな。
……そのうちお前にも、何か出来る事が見つかる』
リーフはポカンとした。
続けて小さく苦笑した。
『……ありがとう、サヤ』
『ふん。
礼ぐらい言える様だな。
…………見てみろ』
サヤが指差す方を見る。
リーフは目を見張った。
花が、咲いている。
それも、春夏秋冬は一切関係なく、リーフの目に映る花――いや、恐らく世界中の花が咲いているのだろう。
そうリーフに確信させる様な、そんな力が花々にはあった。
隣でサヤが呟く。
『主の目覚めを祝福しているのだろう。
―――フィリアが目を覚ました』
リーフは急いで執務室に向かった。
リーフの頭の中には、未だレイの言葉が木霊している。
『お前に何ができる』
その言葉は、何よりリーフがいつも感じていた事を突いた。
自分には、何も出来ない。
ずっと、思っていた。
そう、気づかないフリをしていただけ。
『何も出来ないのは私もだ』
まるで心を読まれたかの様なサヤの言葉に、リーフは驚いてサヤを凝視した。
そんなリーフにサヤは小さく微笑む。
『私は焔を司るから……
フィリアとは特別相性が悪い。
それでも、いつもはフィリアの方が力が強いから平気なんだが、今の不安定なフィリアの近くに私がいたら、余計にフィリアを苦しめる事になってしまう』
『でも、サヤはフィリアと同じ"王"じゃないか。
今は違うけど、フィリアの為にいろいろ出来るだろ』
サヤの言葉にも、リーフは力無く答えるだけだった。
そんなリーフを見て、サヤは眉根を寄せた。
『お前はフィリアの主だろう。
――まあ、私達は認めた訳ではないが、フィリアが初代以来、初めて契約した者。
その様に卑屈に考えるな。
自信を持て。
何も出来ない人間などいない。
フィリアの主だというなら、まずはその考えから改めるんだな。
……そのうちお前にも、何か出来る事が見つかる』
リーフはポカンとした。
続けて小さく苦笑した。
『……ありがとう、サヤ』
『ふん。
礼ぐらい言える様だな。
…………見てみろ』
サヤが指差す方を見る。
リーフは目を見張った。
花が、咲いている。
それも、春夏秋冬は一切関係なく、リーフの目に映る花――いや、恐らく世界中の花が咲いているのだろう。
そうリーフに確信させる様な、そんな力が花々にはあった。
隣でサヤが呟く。
『主の目覚めを祝福しているのだろう。
―――フィリアが目を覚ました』
リーフは急いで執務室に向かった。

