緑ノ刹那

2人が出て行き、扉が完全に閉まると、レイはそこに術を施した。
それは、部屋に誰も入って来ない様にする為と、フィリアの力がなるべく外に漏れない様にする為のもの。



レイはひとつ息をつくと、フィリアに向き直った。

フィリアは変わらず苦しみ続けている。


リーフにはああ言ったが、実際はレイに出来る事も多くは無い。

レイに出来るのは、ただフィリアに自らの力を送り込み、痛みを少し和らげる事だけ。



しかし、それはレイにとって最も負担になり、危険な事だった。