リーフは曖昧な笑みを浮かべた。


『大丈夫だよ。
………心配事はあるけどね』


リーフの言葉に、フィリアは顔を曇らせた。


『心配事?
何かあったの?
私に出来る事があったら言ってね?』


『……うん』




フィリアは随分人間らしくなった。

緑王としての記憶が無かった時も、魂が半分しかなかった為なのかどこか浮き世離れした雰囲気を持っていたし、緑王として目覚めてからは、より人間味が無くなって、リーフは不安になったものだ。


だが、今ならわかる。

今のフィリアが、“本当”だ。
緑王に戻った当初は、魂が上手く混ざり合っていなかっただけ。

緑王にも、心はある。

笑って、怒って、泣いて―――


今も、リーフを心配してくれている。




それが、リーフには嬉しくて堪らないのだ。