緑ノ刹那

位置につき、ルードと目を合わせる。

そして次の瞬間、その場に刃と刃が合わさる音が響いた。



『フィリはさ、どうしたいわけ?』


突然始まった問答に、フィリアは戸惑った。


『どういう意味?』


『フィリはリーフ様にどうして欲しくて、リーフ様をどうしたいの、って聞いてんだよ。
――何て言うか、緑王とかさ。
そういうの無しにして』


『――わからない。
だって、どうしたって私は緑王だから。
それ以外の思考は創られてないもの。
だから私はどこまでも"緑王"なのよ。

……多分、それもリーフが戸惑う理由の一つなんでしょうね』


フィリアの答えに、ルードは剣を合わせながらも呆れた様にため息をついた。


『……なんかちょっと違うんだよ。
何かさ、フィリは考えすぎなんだよ。
もっと直感で動いてみろよ。
迷ってんなら尚更。
そしたら何か変わると思うぜ?』


フィリアは首を傾げた。


『……直感?』


『そうそう。
頑張ってみ?』


『……わかった。
やってみるわ。
取りあえず、今から実践してみる』


(今から?実践?)

ルードが疑問に思った頃には時すでに遅く。
フィリアは一気にルードとの戦いを終わりにした。

勿論、フィリアの圧倒的勝利によって。


目を剥くルードを傲岸不遜に見やり、フィリアはまさに、機械か何かの様に一気に告げた。


『話のせいで剣が単調になってるわ。
もっと緩急のリズムをつけて。
あと馬鹿みたいに刃を合わせてばかりじゃ無くて、たまにはかわしたりしなさい。
で、フェイントももう少し上手くやってみなさい。
目線でバレバレ。
最後に、もっと鍛錬したほうがいいわよ。
筋力が足りないから』






ルードはただ大人しく聞くしかなかった。