緑ノ刹那

『………』


『今のはお前が絶対悪いぞ。
…まあ、俺が言えた事じゃないがな。
―――フィリに後で謝ろう』


黙り込んだリーフに、そろそろと提案する。

それに返事をしたのは、思いもよらない人物だった。


『そうだねぇ。
俺もあれは悪いと思う。
俺がやられたら怒り狂って半殺しだね』


リーフ、バルドのそれぞれが、声のした方を見る。

そこには、立ち去ったはずのレイが木に身をもたれて立っていた。


『お前には関係ないだろ。
大体何でいるんだよ。
帰ったんじゃないのか?』


リーフがぶっきらぼうに応じた。

それにレイは肩をすくめる。


『あのねぇ、俺は忠告してんの。
お前…リーフだっけ?
このままじゃ愛想つかされるぞ。
大体、何なんだよその態度。
お前、本当にフィリアを信頼してんの?

――違うな。
フィリアの"王"になる気、あんのか?
政務はフィリアに任せっきり。
何かあればすぐに頼って、構ってもらえなかったら嫉妬か?
何様のつもりだよ』


ぐっと、リーフは言葉に詰まる。
バルドは敢えてレイを止めなかった。


レイは尚も続ける。


『お前、フィリアがまだ本調子じゃないって知ってる?
毎日城を抜け出して、街の近くに現れる魔物を倒してる事は?
無理しすぎて、フィリアは体にガタがきてるんだよ。
だから、わざわざ俺の手を借りなきゃいけなかった。

俺達みんな、結構怒ってんだぜ?
あんまり調子にのるなよ。
俺らがもう駄目だと判断したら、フィリアが止めても契約を破棄させるからな』